市長ごあいさつ~「紙のアート」がつなぐ文化と産業のまちをめざして~

富士市制施行50周年の記念すべき年に、世界文化遺産である富士山を望む、富士市文化会館ロゼシアターに、「ふじ・紙のアートミュージアム」を開設いたしました。
当ミュージアムの開設にあたり、ご協力いただきました関係者の皆様方に、厚くお礼申し上げます。
富士市は、豊富な水資源や原料である木材、さらには消費地への近接といった立地条件にも恵まれ、明治期以降の近代製紙産業が集積し、国内有数の「紙のまち」としてその名を知られてきました。
こうした状況の下、当ミュージアムは、基幹産業として当市の発展を支えてきた「紙」について、芸術的な側面から新たな可能性を探り、紙を素材とした芸術「紙のアート」によって、文化と産業が融合する「日本一の紙のまち・富士市」を実現するため、開設したものです。
運営については、市民協働事業提案制度により、一般社団法人富士芸術村に企画・運営を委託いたしました。市民と行政の力を結集することで、「紙のアート」を軸にした富士市ならではの新たな価値を創造し、市内外に広く伝えてまいります。
さて、私はかねてから市民一人ひとりが常に青春を謳歌し、明るい未来に向かってチャレンジすることができる「生涯青春都市」の実現に向けた取組を進めてまいりました。
「紙のアート」に特化した施設の開設は全国に先駆けた試みであり、製紙業のまちとして発展してきた歴史と伝統を受け継ぎながら、新たな富士市の50年を築くためのチャレンジを象徴するものです。
また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、県内でもさまざまな文化プログラムの開催が想定される中、このミュージアムを拠点として、各分野との連携を図りながら「日本一の紙のまち・富士市」の魅力を世界にも発信していきたいと考えております。
発見と感動をもたらし、多くの皆様に愛されるミュージアムとなるよう全力を注いでまいりますので、皆様方のご理解とご支援をお願い申し上げます。

館長ごあいさつ~この美術館にこめた想い~

私が美術の教師をしていたとき、丸一年をかけて美術館教育に取り組んだ時期があり、全国の美術館に資料提供をお願いし、生徒達と美術館とはどういうものか学びました。その総括として、富士市であれば、どのような場所に、どんな美術館を造るか、という夢の構想を生徒に発表してもらい、その時から私の心に「いつか富士市に美術館を」との想いが生き続け、今日に至っています。
多くの人に気軽に芸術に親しんでもらえるように、と2005年に始めた「富士芸術村」の活動の中で、2008年の「国民文化祭」に富士市も出展を、とのことで、紙のまち富士市で「紙のアートフェスティバル」を開催しました。それからこのフェスティバルを続け、毎年、全国から紙を使ったアート作品が富士市芸術村にやってきます。
これら活動の流れの中、富士市政50周年にあたり、長年の夢であった富士市の美術館を、ロゼシアターに開館することが実現しました。ここを日本でオンリーワンの「紙による芸術文化」の発信地とし、町の至るところに紙の芸術に触れ合える拠点を広げながら、ゆくゆくは富士のまち全体がミュージアムとして魅力的な場所になるように、との目標に向けて、そのスタートラインに立った思いです。
作家の方々の紙によるアート作品の企画展とともに、気軽に親しめる紙のワークショップなども開催していきますので、ぜひ皆さん、気軽に足を運んでいただき、市民の皆さんも参加型で、このプロジェクトを完成していただければと思います。

漆畑勇司 経歴
東京造形大学卒業、富士市在住の彫刻家として活動しながら、富士高等学校の美術教師として20年教鞭をとる。
2005年に富士市の芸術文化交流の拠点として「富士芸術村」(富士市大渕)を立ち上げ、その活動を通して若手芸術家の支援や、市における芸術の振興に寄与してきた。

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